今日は1月17日。
1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災から今日で22年になります。
そんな22年前、震災復興の象徴となり、プロ野球球団の公共財としての存在意義を大いに示してくれた球団が神戸にありました。
今は無きオリックス・ブルーウェーブです。
震災の年に球団創設初優勝!
オリックス・ブルーウェーブ(以下「BW」)は1991年から2004年まで神戸を本拠地として存在していた球団です。
2004年の秋に近鉄との合併により消滅しました。
今はオリックス・バファローズという別の(←敢えてこう言う)球団が存在しています。
そんなBWは震災が起こった1995年にパシフィック・リーグを優勝。
親会社がオリックスになってからは初めてのリーグ優勝で、しかもそれを地元が震災に見舞われたその年に達成するという、まさにドラマチックなことを見事にやってのけました。
見えない力が働いたとしか思えなかった優勝
当時の私は熱狂的なBWファンで、地元神戸で行われたその年の開幕戦ももちろん見に行っていました。
とはいえ、開幕戦があった4月1日はまだ震災が起こってから2ヶ月半しか経っておらず、大阪と神戸をつなぐ阪急電車もその日ようやく三宮までの運行が再開されたばかり(しかも各停のみの運行)という状況。
電車の車窓から見える外の景色は水色のビニールシートだらけだし、三宮の街並みもその半年前とは景色が一変してしまっている。
そんな景色を目の当たりにして、
「これは今年絶対に優勝してもらわなあかんな…。」
そう友人と言葉を交わしたのを今でもはっきりと覚えています。
そして、そんな気持ちを持っていたのはチームももちろん同じだったのでしょう。
今から考えると、あの年のリーグ優勝は何か見えないものが後押ししてくれたとしか思えません。
なんせ、その年の野手はイチロー以外まともな成績を残した打者は1人もいないという状況。
個の力ではなく完全にチームの団結力がもたらした、まさに奇跡の初優勝でした。
そんなBWの1995年の軌跡は↓以下の動画で振り返ることができます。
一番の思い出は「マジック1からの本拠地4連戦で4連敗」
ちなみに、私がこの年の出来事で今でも一番忘れられないのは、リーグ優勝!…よりもその直前の
「優勝マジック1からの本拠地4連戦4連敗」
です。
この年、リーグ優勝は西武の本拠地・西武球場で決めたんですが、実はその直前の神戸での試合でも胴上げのチャンスはありました。
地元で組まれていた6連戦の2戦目にマジックを1として、残る地元での試合はあと4つ。
「4つもあればどこかで絶対に胴上げが見れるだろう」
と思っていた我々ファンの期待は、しかし残念ながら叶えられず…。
そこからまさかの4連敗で地元神戸での胴上げは結局成し遂げられませんでした。
1年間「被災地神戸のために」と戦い続けてきた選手、そして、そんなチームの優勝の瞬間を地元で見たいというファンの思い。
その両者の気持ちが熱すぎたのが4連敗の原因でした。
それだけお互いリーグ優勝に対する気持ちが強かったということですよね。
当時は気が狂うほど落ち込みましたが、今となってはいい思い出です。
それに、この年の悔しさが翌年の地元神戸でのリーグ優勝に繋がりましたし。
(そしてそのゲームを生で見れたし(^^))
革新的だった球団運営
また、この頃のBWは当時としては革新的な球団運営を行っていたのも魅力の1つでした。
特にそれが現れていたのがファンサービスで、一番わかりやすいものを挙げると、球場アナウンスへのスタジアムDJの起用です。
今では当たり前になっている男性による球場のアナウンスも、当時のBWのDJ KIMURAさんが初めてでした。
「イチローーーーーッ、スッズキィ!!」
という軽妙なアナウンス、最高でした(^^)
また、スタメン発表のときに場内の大型ビジョンに流れる映像のクオリティも当時としてはかなり洗練されていて、20年前なのに正直今でも通用するぐらいのレベルです。
1996年日本シリーズ第5戦のスタメン発表のときの映像がYouTubeにupされていますが、カッコ良すぎて今見ても鳥肌が立ちます…。
↓こんな画面が表示されていた頃の映像のクオリティとは本当に思えない(笑
そんな球団の姿勢はファンをも育てて、今では当たり前になっている球場にプラカードを持ち込んで応援するスタイルもこの頃のBWが火を点けたものです。
今のオリックス球団では考えられない流れが当時のBWにはありました。
けど、その球団は今は無い…
震災から22年という節目の日に、かつて存在した愛する球団に想いを馳せてみました。
プロ野球といえば、今や地域密着が進み、ファンサービスも豊かになりました。
ただ、そんな今の流れが生まれたきっかけは間違い無く2004年のBWと近鉄の球団合併消滅騒動です。
あのときBWファンや近鉄ファンが味わった哀しさを今の12球団(ホントはオリックス以外の11球団と言いたい…。)のファンが再び味わうことのないように、プロ野球が今後も公共財として発展し続けることを願っています。
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