先月手に入れたばかりの新しい愛機・Nikon Z 6II。
早く使いこなせるようにと日々練習中です。
昨日もわざわざ名古屋まで行って応援馬の写真を撮ってきたんですが…ここで事件が!
なんと、流し撮りしたらやたらと斜めに写るという謎の事態が発生。
↓こんな仕上がりになっちゃうんですよぉ…。
前回競馬の写真を撮ったときは↓ちゃんと撮れてたのに。
「競馬の写真でこんなのを量産されては困る!原因はなんだ!」
と思って前回との違いを見返した結果、行き着いたのはサイレント撮影でした。
この記事の目次
サイレント撮影とは
サイレント撮影とは、シャッター音が鳴らない+シャッターによる振動が出ない撮影モードのことです。
Z6IIのオンラインマニュアルでは↓こう解説されています。
静止画撮影メニュー[サイレント撮影]を[する]に設定すると、電子シャッターを使用して、シャッター動作による振動とシャッター音を出さずに撮影できます。
NikonのYouTubeチャンネルでも使い方や設定方法が紹介されています。
前使っていた愛機・D500にはなかった機能で、
コレが搭載されたカメラを使うのは私自身初めてです。
ミラーレスカメラ/デジタル一眼レフカメラでシャッター音を出さずに撮影できる製品を教えてください | ニコンイメージング
「試しに全部サイレント撮影で撮ってみよう」が見事裏目に
サイレント撮影はZ6IIのファーストインプレッションでも「買ってよかった点」の1つに挙げているように、
と思ってました。
なので、昨日の撮影では
「試しに今日はサイレント撮影だけで写真撮ってみよう!」
と思い、結果、冒頭のような使えない写真を量産することになったという(^^;
とはいえ、すぐに原因がわかったわけではもちろんなくて。
前回から今回までにいじった設定を1つ1つ解除しながら確認していった中で、
「もー、あとはコレしかないわー(泣」
と思って最後にいじったサイレント撮影の解除でなんとか元通りに。
ホッとしましたよー、マジで。
元に戻らなかったらカメラ設定の初期化まで考えてましたから。
たとえ初期化しても、またサイレント撮影で撮れば結果は一緒なのに(笑
Z6IIのマニュアルにも「動きモノにはNG」の記載あり
実は、Z6IIのオンラインマニュアルにもサイレント撮影について↓こんな注意点が書かれています。
サイレント撮影について
撮影画面の表示に次のような現象が発生することがあり、これらの現象は静止画にも記録されます。
(略)
・動きのある被写体が歪む(被写体に動きがある場合、被写体が歪む/カメラ本体の動きによっては、画像が歪む)
てなわけで、動きモノにサイレント撮影を使うのはダメみたいです。
てか、オンラインマニュアルなんて誰も読まな(略
サイレント撮影で斜めに写る原因は電子シャッターにあった
じゃあ、なぜ動きモノにサイレント撮影を使うのはダメなのか。
その答えもオンラインマニュアルにひっそりと書かれてました(^^;
冒頭で紹介したサイレント撮影の説明文をよくよく読んでみると。
静止画撮影メニュー[サイレント撮影]を[する]に設定すると、電子シャッターを使用して、シャッター動作による振動とシャッター音を出さずに撮影できます。
「電子シャッターを使用して」とあるので、コレってなんやねん?と思って調べてみると。
【初耳】ミラーレス機のシャッターにはメカニカルと電子先幕の2つがある
ミラーレス機初心者な自分は知らなかった(というか、強く意識していなかった)んですが、Z6IIにはシャッターの種類が2つあるんだそうです。
- メカニカルシャッター(メカシャッター)
旧来のシャッター。イメージセンサーの前をシャッター(板)が横切ることで撮像する -
電子先幕シャッター(電子シャッター)
シャッターを稼働させず、イメージセンサーの稼働時間を電子制御することで撮像する
D500は旧来からのメカシャッターのみなので、電子シャッターを使うのはZ6IIが初めて。
で、どうやらコレが諸悪の根源(って、ひどい言い方やな笑)だったようです。
電子シャッターで動きモノを撮ると「動体歪み」が発生する
というのも。
電子シャッターって、メカシャッターのように音や振動は生じないものの、↓こんな弱点があるらしく。
電子シャッターで、電車や飛行機・車などが真横に高速で移動するシーンなどを撮影すると、動体歪みが発生してしまいます。電子シャッターは、イメージセンサーが上から順に露光を行ない、写真の上と下で露光のタイミングに差が生じるためです。
引用元:メカシャッターと電子シャッターの違いとは?メリット・デメリットを解説してみた! | GOOPASS MAGAZINE
だから斜めに写るか、とめっちゃ納得(^^;
サイレント撮影が動きモノにダメな理由も、コレにすると電子シャッターでしか撮れなくなるからなんですね。
うーん、勉強になりました!
Z9やZ8は電子シャッターのみも…動体歪みはやっぱり出る
ちなみに、ニコンのフラッグシップミラーレス機・Nikon Z 9やその弟分・Nikon Z 8はメカシャッターレスなカメラです。
つまり、電子シャッターしか使うことができません。
撮像センサーに積層型のCMOSセンサーを採用することで、高速なスキャンレートを達成し、ローリングシャッター歪みがほとんど出ないというメカシャッターの利点を電子シャッターでも実現できる見込みが立ったので、メカシャッターを廃止しようということになりました。
──Z 9ではどのくらいのスキャンレートですか?
藤原: 具体的な数値はいえませんが、Z 7のサイレントモードの約12倍のレートになります。
引用元:Z 9 開発者Special Interview vol.1~フラッグシップ機「Z 9」の開発コンセプトと注目の新機能~ | ニコンイメージング
とあるので、たとえ電子シャッターでも歪みが出ないようになっているのかなー、と思いきや。
競馬を撮るプロカメラマンさんのYouTube↓によるとやはり動体歪みは出るとのこと。
いくらZ7(=Z6II)の12倍のレートでも、やっぱ出るんじゃん、動体歪み!
↑上の動画の後半では歪みの修正方法も紹介されていますが、そんな1枚1枚いちいち補正してられへんし!
世の中には
と言ってやりたいです。
正直Z8の性能やコンパクトさには惹かれるのですが、この課題が解消されていない現状ではメカシャッターレスなカメラはなかなか選びづらい。
今使っているZ6IIの後継・Z6IIIの登場が待たれるところです。
(もちろんメカシャッター搭載前提で)
…と言ってたら、ようやく出ることになりましたね!
私も即予約しました。
Nikon Z6IIIがついに出る!2024年7月12日発売へ【予約成功までのまとめ】
まとめ:電子シャッターのみのサイレント撮影は動きモノにはNG!
以上、この記事では
「Nikon Z 6IIの流し撮りで斜めに写る原因はサイレント撮影(で固定される電子シャッター)だよ」
という点について、私自身の勉強も兼ねて記事にしてみました。
ミラーレス機で動きモノを撮っていて私のように
「なんじゃこりゃ!」
ってなった人は、サイレント撮影に設定していないか・電子シャッターが働いていないかを確認してみてください。
とりあえず競馬撮影がメインの自分には電子シャッターは要らなさそうなので、
Z6IIのシャッター方式の設定(カスタムメニューd5「シャッター方式」)も
「オート」から「メカニカルシャッター」に変えておきました。
カメラが「どっちにしよ?」って迷う時間を省くことで少しでも安定した連写につながれば(^^
とはいえ。
たとえ電子シャッターでもハマれば↓こんなにビシッ&フワッと撮れてくれます。
ネアセリーニ&ディアスティマ兄弟の応援に東へ西へ
あとはハマる回数を自分がどれだけ増やせるかですよ(^^
【関連記事】
- Nikon Z 6IIの写真のあれこれは以下のページにて。
Nikon Z 6IIで撮る ブログ記事一覧 - Nikon Z 6IIで初競馬撮影!応援馬激走で写真も結果もGood!
- Nikon Z 6IIで初めてのミラーレス。買ってよかった&微妙な点をまとめてみた
- カメラ
- レンズ
- Voigtlander SUPER WIDE-HELIAR 15mm F4.5 Aspherical
- VILTROX AF 20mm F2.8
- NIKKOR Z 26mm f/2.8
- Voigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
Z TELECONVERTER TC-2.0x
パドックで馬を撮るときもシャッター音を鳴らしたくない場面はあるもんね。